ベランダしかなくてガーデニングを諦めている方、小さな庭はあるけど花壇を作ったり、プランターを揃えるのは大変そうと思っている方に朗報です。
その心の壁は「苔玉」が壊してくれます。
今回は小さな緑を感じることのできる苔玉について作り方を紹介します。
苔玉とは
苔玉とは小さな植物をプランターやポットに植える代わりに根の部分を丸くと整えて苔で巻いてあげたものです。
ちょっとしたスペースがあれば飾ることができますし、置く器によって和洋どちらにも合う万能なものです。
以下、苔玉のメリット、デメリットを紹介します。
苔玉のメリット
・植物が劇的にオシャレになる
・小スペースでも楽しめる
・苔玉を置く器によってどんな場所にも合う
・丸型以外にも形を自由にカスタマイズできる
・贈り物に最適
要は自由度が高いということです。
どんな植物とでも一緒に植えることができて、どんな形にしてどんな器に置いて好きな場所に飾ることができる苔玉。
いろいろと試してみたくなるので、凝り性の人にはもってこいかもしれません。
もちろん、オーソドックスな丸型でずっと置いてあげるのもOKです。
苔玉のデメリット
・同じ大きさのプランターよりは費用がかかる
・入れる植物に合わせた資材が必要
・プランター栽培よりは管理が難しい
・植物が大きくはならない
苔玉を作るには「苔」が必要です。
自宅に苔がある方はいいでしょうが、なかなかそういう方は少ないんじゃないでしょうか。
実際苔を買うと普通にプランターを買うより費用がかかることがあります。
また、苔と中に入れる植物の相性も重要になります。
生育に日当たりがどのくらい必要なのかや、肥料、水の具合など中に入れる植物によってお世話をカスタマイズする必要があります。
そして苔は肥料を必要としないため、中の植物は養分が足りないためあまり大きくはなりません。
あまり大きくならないのは、逆にそのままの状態をキープ出来るということなので、それはメリットと考えられるかも。
苔の種類について
世界中に2万種類以上あるという「苔」は世界で最も古い植物の一種とされています。
日本でも約2000種の苔があるそうです。
そんな数ある苔の中でも今回は「ハイゴケ」を使用します。
綺麗な黄緑色の苔で、よく苔玉に使用されます。
私は園芸店でパックいっぱいに入ったものを購入しました。
苔玉の中の植物について
苔玉の中には様々な食物を入れることができます。
初心者にお勧めされているのが乾燥に強い観葉植物です。
その理由は、苔玉がプランターや地植えよりも空気に触れる面が多く乾燥しやすいからです。
気づいたらカラカラで苔玉が軽くなっていることは夏にはよくあることです。
今回は苔と一緒に購入した食虫植物「ハエトリソウ」を苔で巻いていきます。
色は違いますが、スーパーマリオに出てくるパックンフラワーみたいに獲物が来たら檻のような葉が閉じて獲物を消化液で消化するハエトリソウ。
興味深いですよね。最近では園芸店に普通に売っています。価格も安いんで興味のある方は是非育ててみてください。
準備するもの
準備するものは写真のとおり。
- ハエトリソウ
- ハイゴケ(水苔)
- 乾燥水苔
- 黒い糸(テグスでも可)
- 布の切れ端(ハエトリソウを植える時のみ)
ちなみに私はハエトリソウ(900円)、ハイゴケ(700円)、黒の糸(100円)の合計1700円で揃えました。
乾燥水苔は数年前に買ったものの余りです。
以前は10株くらいの食虫植物を育てていましたが、新居に引っ越す際に手放してしまいました。
乾燥水苔だけ残していたんで、今回使えて良かったです。
作り方
では、前置きが長くなりましたが、作り方を説明します。流れは下のとおりです。
- 乾燥水苔を水に浸けておく
- ハエトリソウの中心付近に布の切れ端を差し込む
- ハエトリソウを1.で水に浸けていた乾燥水苔でまく
- ハエトリソウをハイゴケでさらにまく
- 黒い糸でハイゴケを固定する
1.乾燥水苔を水に浸けておく
苔玉づくりはよく粘土質のケト土を使います。これは苔玉がプランターなどよりも乾燥しやすいためで中の植物の水切れを防ぐために保水力の高い土を採用しているんです。
しかし今回使うハエトリソウは湿地帯などに生息する植物で、とても水を好み水に浸けていても全く問題なく成長します。
そこでケト土よりもさらに保水力が期待できる乾燥水苔を使用することとしました。
乾燥水苔を水に浸けて戻す方法は色々あります。
ふかふかな状態にしたいなら水に浸けて1日放置を2、3回ほど繰り返すといいそうですが、そんなに時間をかけたくないので水につけて10分ほど放置したものを使います。
放置している間に他の作業を進めます。
2.ハエトリソウの中心付近に布の切れ端を差し込む
ハエトリソウと同様にハイゴケも水を好むため、水切れをなくそうと思ったら苔玉を水に浸けてしまいたいですが、水につかっている部分の苔は茶色に変色してしまいます。
それを防ぐ方法が布の切れ端をハエトリソウの根のあたりに差し込むことです。
水を張ったボールのような深い入れ物に布を垂らしておけば常に水を必要な部分に供給してくれます。
やり方はポットから出したハエトリソウの底から中心部分に少し穴を開け、その穴に布の切れ端を差し込むだけです。
3.ハエトリソウを1.で水に浸けていた乾燥水苔でまく
水で戻した乾燥水苔でハエトリソウを巻いていきます。
綺麗な丸になるように調整しながら巻いていきましょう。
こんな感じで巻いていきます。下から出す布の切れ端まで巻いてしまわないように注意しましょう。
4.ハエトリソウをハイゴケでさらにまく
いよいよメインのハイゴケを巻いていきます。
シート状になっているハイゴケを裏返すと下の写真のようになっています。
これに先ほど乾燥水苔を巻いたハエトリソウを置きます。
必要な量のハイゴケをカットしてから後は巻いて形を整えるだけです。
5.黒い糸でハイゴケを固定する
最後に黒い糸でぐるぐると巻いてハイゴケを固定していきます。
コツは形を整えることを意識しながら巻いていくことです。
少し膨らんでるなというところがあったら強めに巻いてあげると綺麗な丸に近づいていきます。
以上で苔玉の完成です。
あとは先ほど説明したとおり水を張ったお皿に布の切れ端を垂らします。
今回はいい鉢がなかったため、捨てる予定だった100均のお皿と鉢底ネットを使います。
鉢底ネットの真ん中をハサミでカットします
布の切れ端を穴に通せば完成して水に浸ければ完成です。
これで水切れさせずに苔玉を管理することができます。
本来苔玉は乾燥に強い植物を中に入れは方が管理がしやすいです。
持ってみて軽くなったら水やりのタイミングなので、水を張ったバケツなどに沈めてあげて空気の泡が出なくなるまで吸水させてあげるのが通常の水やりになります。
管理方法
ハエトリソウは耐寒性、耐暑性共に高いため、外の明るい場所で管理します。
真冬でも外に置いたままで大丈夫です。
ただ真夏に直射日光の当たる場所に置いておくとすぐに乾いてしまうため、日陰や半日陰が無難です。
風通しがよく蒸れにくい場所に置いてあげましょう。
また、ハエトリソウもハイゴケも肥料は必要ありません。
それでも何かしてあげたいと思ったら、活力剤を薄めたものを霧吹きでハイゴケにかけてあげると調子が良くなります。
ただしあげ過ぎには注意しましょう。
終わりに
ハエトリソウを使った苔玉について紹介しましたがいかがだったでしょうか。
少しでも苔玉や食虫植物に興味を持っていただけたら幸いです。
苔玉はベランダや室内でも管理することができるので、スペースの関係で植物を育てることを諦めていた方は是非挑戦してみてください!
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